No.200を機にLISNが創刊された1970年代から50年間の図書館界を振り返ると、来館者への貸出しが重視された1970年代に続き、コンピュータ化、開架スペースや書庫などの大規模化、また法律の改正や制定のような政策環境の変化など情報化社会の急速な変化に伴い、図書館はさまざまな対応が求められてきました。こうした要求に柔軟に対応する中で日々なにげなくこなす業務について「本来の目的」に立ち返ったとき、利便性などが優先されるうちに、何か大切なことが忘れられていたりしないでしょうか。
特集は「図書館でのあの時を振り返り、未来につなげる」です。
図書館用品、読書バリアフリー、教育、安全安心について、これまでにご執筆いただいた研究者や関係機関の方に、当時を振り返りまた改めて今日における社会の取り組みや対応のヒントをご紹介いただきます。
設備事例紹介は、子育てや移住者など人をつなぐ支援といった、地域を元気にする機関が一体となって人々を支える交流センターと併設された「黒部市立あおーよ図書館」です。
資料紹介は、地域映像アーカイブ・プロジェクトとして著者が2008年より、新潟を中心とした地域でおこなった調査で「新たに発掘された」映像をもとに幕末から現在までの約160年の歴史を通史的に記述した、608ページに及ぶ集大成「映像メディアの社会文化史-底辺から世界を鳥瞰する」です。
製品紹介では、棚に敷くだけで図書の落下を軽減する「安全 安心ライン」「安全 安心シート」ご紹介します。
LISN200号 (2024年6月)
特集「図書館でのあの時を振り返り、未来につなげる」
奥泉 和久(元横浜女子短期大学図書館)
「図書館用品考 サービスの変化に対応」
立花 明彦(社会福祉法人 日本点字図書館常務理事・館長)
「視覚障害者に寄り添う−日本点字図書館が追い求める読書等バリアフリーの今−」
渡辺 鋭氣(学校図書館整備推進会議 相談役
「手を伸ばせばそこに本がある」
黒木 秀子(医療法人社団嗣業の会こどもとおとなのクリニックパウルーム 室長
/公認心理師・臨床発達心理士・保育士)
「図書室のなかのクリニック 理念と法的整備」
北村 弥生(NPO 支援技術開発機構 研究顧問)
「支援の必要な人が図書館内にいる際の災害時の対応」
菅原 えりさ(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科感染制御学 教授)
「感染対策を身近な存在に」
設備事例
七澤 信(黒部市教育委員会/黒部市立あおーよ図書館・館長補佐) *所属は2024年3月末現在
「『わたしのサードプレイス』−黒部市立あおーよ図書館」
資料紹介
「映像メディアの社会文化史-底辺から世界を鳥瞰する」
製品紹介
「安全 安心ライン、安全 安心シート」