私たちの歴史や文化を伝え、知識や情報を未来へ残す紙資料。
図書館はそうした紙資料を大事に保存し、守る役目があります。
しかし、紙資料にはカビが生えたり虫に食べられたり、また災害などによって破損・紛失してしまう恐れがあります。このように様々なリスクがある中で、どのように紙資料を守っていけばよいのでしょうか。
図書館では、「資料保存」が重要な課題となっています。
キハラでは資料保存における課題を解決するための情報提供の場として、YouTubeチャンネル「キハラ株式会社 図書館資料保存アカデミー」を開設しています。
これまで第1~5回まで開催し、資料保存のポイントなどを分かりやすく解説してきました。今回はあらためて、「図書館資料保存アカデミー」をご紹介します。
第1回 図書館資料保存の基本
講師:小島浩之 先生(東京大学経済学部資料室講師)
東京大学経済学部資料室は、図書館における各種資料保存業務の実践において必要な情報を整理し、ポスター形式の「図書館資料保存の基本」にまとめ、2020年11月に公開しました。続いて、2021年7月には第2版を公開し、広く資料保存の課題について有用な情報の発信を続けています。
図書館における資料保存の概要について、ポスターの概説を通じて資料保存の様々なポイントを解説しています。
(https://youtu.be/5M6cjAZxljo?si=Ghlhhv1gJhb__uVJ)
第2回 図書館資料保存における課題と対策
ゲスト : ⼭崎博樹 先生 (知的資源イニシアティブ代表理事)
講師:小島浩之 先生(東京大学経済学部資料室講師)
司会/コメンテーター : ⽮野正隆 先生 (東京⼤学経済学部資料室助教)
小島浩之先生・山崎博樹先生による、図書館における資料保存の課題や事例などについての対談です。⼭崎先生は秋⽥県⽴図書館、国⽴国会図書館に勤務され、データベースやデジタル情報の中⻑期保存研究に広く従事されてきました。司会およびコメンテーターの矢野先生は、マイクロフィルムやデジタルメディアの取扱いに関する調査や研究を通じて、東京⼤学経済学部資料室における具体的な資料保存業務にも従事されています。
デジタルアーカイブの利用例や保存の注意点、紙資料の印字方法の違いごとの劣化や対策について解説しています。
(https://youtu.be/NIuM0p_C1vc?si=IXQV_KWZU-R67RR3)
第3回 図書館の環境マネジメント
講師:小島浩之 先生(東京大学経済学部資料室講師)
講師:⽮野正隆 先生(東京大学経済学部資料室助教)
講師:森脇優紀 先生(東京大学経済学部資料室特任助教)
事前に寄せられたカビや温湿度管理についての疑問・質問に、東京大学経済学部資料室の先生方がお応えする形で環境マネジメントについて解説しています。資料保存環境を管理する上での基本となる考え方に焦点を当て、カビ問題や温湿度管理対策の疑問を解決する手がかりとなるお話をしています。
(https://youtu.be/838huxn1rTc?si=ldhER4ejx28Cy1qA)
第4回 保存容器の機能と効果
講師:小島浩之 先生(東京大学経済学部資料室講師)
講師:⽮野正隆 先生(東京大学経済学部資料室助教)
講師:森脇優紀 先生(東京大学経済学部資料室特任助教)
図書館や⽂書館の紙資料を保存する上で、保存容器の利⽤は非常に有効な対策であることは広く知られています。保存容器の利⽤が普及した背景やその有効性について、また保存容器を用いた収納がなぜ重要なのか、各種保存容器を紹介し解説をしています。
(https://youtu.be/VSaOtj53cYg?si=j8jhb2ZSc2bCZC4-)
第5回 手軽に作れる簡易保存容器
講師:森脇優紀 先生(東京大学経済学部資料室特任助教)
箱や封筒といった保存容器は、周辺で起こる様々なリスクから資料を守るとともに、大切な資料の長期的な保存に役立ちます。容器を用いた資料保存対策を実務で役立てることができるよう、簡単な道具で製作できる簡易保存容器の作り方とその工程を紹介しています。
(https://youtu.be/lq_dRUuOvac?si=q1bBhOqCUOD5Sg8B)
第26回2024年の図書館総合展オンライン2期(2024年11月16日~24日)では、「図書館資料保存アカデミー」第6回の開催を予定しています。
参加方法につきましては、キハラホームページにて10月頃公開予定です。
図書館における資料保存を学びたい方は、ぜひ、ご応募ください。
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