図書館のニオイや感染症に正しく対策していますか。 (LISN No.194 室内環境への配慮を見直す)

「人が集う環境」という視点から図書館を考えると、さまざまな工夫や配慮がされていることに気づきます。中でも、以前より問題視されているニオイには、消臭剤や香り付け、人の声や人が立てる音には、声掛けやポスターなど図書館員さんのさまざまな努力が重ねられています。またコロナ禍では、図書館に限らず、空気質や人との距離などが着目され、にわかにパネル、マスクといった対策が加わり定着しています。
この度の特集では、日常に溶け込んでいる配慮や対策について、改めて根拠となる点や忘れられがちな注意すべき点などをご専門の方々にご執筆いただきました。身の回りの日常の見直しや日頃の業務にお役立てください。
設備事例の紹介では、鳥取県境港市民図書館、専修大学野口氏の連載第3回は日本の「障害者サービス」の現状をお届けします。

境港市民図書館一般コーナー 書架 ©キハラ株式会社
境港市民図書館一般コーナー 書架 ©キハラ株式会社

特集は、「室内環境への配慮を見直す」です。室内の環境整備の中でも香り、消臭、感染症対策、パネル衝立の効用や意義などについてお届けします。
芳香消臭脱臭剤協議会理事の村木氏より、家庭用芳香脱臭剤に関して「安全確保マニュアル作成の手引き」をもとに、また、環境資源システム総合研究所所長の浦野氏から、家庭用柔軟剤など香り付き製品について利用の実態とあわせて、それぞれ、利用の際に注意する点や課題をご執筆いただいています。
さらに、空気質という観点から国内の法令などこれまでの対策の経緯や、今後も必要であると思われる感染症への備えについて産業医科大学の石松氏より、そして東京都立産業技術研究センターの渡辺氏から、マスク着用および卓上パーティション設置がどのような音響的影響を及ぼすのかを把握するために行った基礎的な検討をご紹介いただきました。
また、設備事例紹介は、館長の嘉賀氏による鳥取県境港市民図書館です。図書館は、境港市民交流センター みなとテラス内に、2022年7月10日リニューアルオープンしました。
専修大学野口氏の連載「『誰一人取り残さない』図書館を目指して」、第3回は 「日本の『障害者サービス』 はいま」 と題して、日本の公共図書館における障害者サービスの現状、また学校、大学図書館などの調査研究についてご報告です。

製品紹介 キハラ リーディングトラッカ― ©キハラ株式会社
製品紹介 キハラ リーディングトラッカ― ©キハラ株式会社
製品紹介 キハラ リーディングルーペ ©キハラ株式会社
製品紹介 キハラ リーディングルーペ ©キハラ株式会社

資料紹介は、「読み書き障害(ディスレクシア)のある人へのサポート入門」です。この本は、単行本のほかに電子書籍版が販売されており、読者のさまざまなニーズへの配慮がなされています。もう1冊は、竹内悊著・訳の「加藤宗厚先生のお仕事 図書館法成立、『学校図書館の手引』をめぐって」です。著者の言葉の端々に込められた図書館を支える方々への思いに、是非ふれてください。

製品紹介は、合理的配慮を必要とされる方や、集中して読書をしたい方の読書をサポートする、キハラ リーディングトラッカー、リーディングルーペをご紹介しています。

LISN194号(2022年12月)
特集 「室内環境への配慮を見直す」
村木 毅(小林製薬株式会社 日用品事業部 芳香消臭剤カテゴリー 研究開発グループ/芳香消臭脱臭剤協議会 理事・事務局長))「家庭用芳香・消臭・脱臭剤の安全確保について」
浦野 真弥(環境資源システム総合研究所 所長/工学博士)「家庭用柔軟剤等の香り付き製品の利用と課題」
石松 維世(産業医科大学 産業保健学部産業衛生科学科)「室内で過ごす―空気質と微生物―」
渡辺 茂幸(地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター)「マスクと卓上パーティションの音響的影響について」
嘉賀 收司(境港市民図書館 館長)「境港市民図書館―市民と共に歩み、成長していく図書館を目指して―」
連載 「誰一人取り残さない」図書館を目指して
野口 武悟(専修大学 文学部教授)「第3回 日本の『障害者サービス』はいま」
資料紹介「読み書き障害(ディスレクシア)のある人へのサポート入門」「加藤宗厚先生のお仕事 図書館法成立、『学校図書館の手引』をめぐって」
製品紹介「キハラ リーディングトラッカー リーディングルーペ

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