ブックタイトルegao_project

ページ
46/48

このページは egao_project の電子ブックに掲載されている46ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

egao_project

44高校生からは「自分には全部なくなる感覚は分かりませんが、それでも新しいものをつくろうとする強さを見せられました。日本人の強さ、温かさがここにあるのだと思いました」「自然災害によって心に傷を負ったみなさんはどのように気持ちを克服していったのか?自分におきたらと考えるととても胸が苦しくなります。」本をとおして被災地の様子にふれ、大変な暮らしの中にいる人々を想う心情に溢れています。テレビなどで報道されたことを何気なく見ていた時には感じられなかったことが、自分の意思で本を手に取り、ページを広げるたびに現れる厳しい現実に、どうしていいのか分からない、焦燥感をも感じている様子が伝わってきます。これはまさしく、目に見えない「本の力」がそこには広がっていたのだと思います。震災直後から国内はもちろん、世界各国から多くの支援が寄せられました。今も音楽家、画家等芸術家たち、スポーツ選手たち、文学者たちが、それぞれの賜物を活かし、息の長い支援を続けていることでしょう。本に関わる私たちは本をとおして、辛い時間を生きなければならなかった子ども達に、全国から寄せられた、心温まるメッセージと共に励ましを伝えていきたいと思います。いま、多くの学校では、防災・減災教育に力を入れていると聞きます。災害は止めることができません。まさしく「いざという時」子どもを守るために大人は何が出来るのか、真摯に取り組まなければなりません。そのための手がかりに、この展示会が役立つことを願うものです。そして「何かせずにはいられない」と苦しみ、悲しみの中にいる人々にやさしい眼差しを寄せる若い人たちに期待したいものです。齋藤 紀子