家具の材料ってごぞんじですか? ~集成材について~

家具に用いられる材料は多種多様です。
なかでも「木質材料」は加工のしやすさや流通量の多さから、家具の材料として慣れ親しまれています。

その木質材料のひとつ「集成材」をご紹介します。

天然の丸太を伐採し、そのまま使用する形状に切り出し乾燥させた材料を「無垢材」と呼びます。 それに対して、伐採した丸太を小さく切り分け、乾燥させ、繊維方向をそろえて接着をした木質材料を「集成材」と呼びます。無垢材と異なり、木の大きな節や割れなどの欠点を取り除くことで強度・安定性が向上し、なおかつ人工素材にはない温かみのある木の良さを活かした材料です。

ラミナス©キハラ株式会社
ラミナス©キハラ株式会社

キハラの新しい書架「ラミナス」には集成材を使用しています。
ラミナスという名前は、集成材(Laminated wood)を使用した書架(Shelf)という意味から、それぞれの単語を組み合わせてつくりました。

ラミナスに使用される集成材は、国産ヒノキ材のひき板を原料にしています。キハラでは、厳しい審査に合格したJAS認定工場で作られた集成材のみを使用しています。

今回は、ラミナスに使われる集成材の工場に行ってきました。
実際に木材がどのように集成材に変わっていくかを見ていきましょう。

国産ヒノキ材のひき板©キハラ株式会社
国産ヒノキ材のひき板©キハラ株式会社

最初に小さく切り分けた木材(ひき板)を機械にセットします。長さの違うひき板を使うのは、最後の接着時につぎ目が重ならないようにするためです。

ひき板を機械にセットした状態©キハラ株式会社
ひき板を機械にセットした状態©キハラ株式会社

次に、ひき板の端の部分に、ジグザグの切り込みを入れる加工をします。これは手の指(フィンガー)のように見えることから、フィンガー加工と呼ばれています。この加工を行うことで接着する面積が多くなり強度が増します。

フィンガー加工©キハラ株式会社
フィンガー加工©キハラ株式会社

フィンガー加工されたひき板を縦につなぎ合わせ(縦継ぎ)、長い木材にします。 縦継ぎをしたひき板を裁断して、長さをそろえます。

縦継ぎ©キハラ株式会社
縦継ぎ©キハラ株式会社

これまでの一連の流れを動画でご紹介します。

次に、長さをそろえた木材を3つに裁断します。

木材を裁断した状態©キハラ株式会社
木材を裁断した状態©キハラ株式会社

裁断した木材を必要な厚み・幅に積み重ね、接着剤を塗り、機械で圧力をかけ接着します(圧縮固定)。

圧縮固定©キハラ株式会社
圧縮固定©キハラ株式会社

接着剤が乾燥したら、研磨機で表面を磨き、寸法を整え仕上げます。

研磨機©キハラ株式会社
研磨機©キハラ株式会社

このような多くの加工を経て、集成材は作られます。こうして出来上がった高品質な国産ヒノキ集成材をラミナスは使用しています。

完成した集成材©キハラ株式会社
完成した集成材©キハラ株式会社

今回は木の香り漂う工場に伺い、集成材のつくり方をご紹介しました。JAS規格認定工場の認証のもと、そこで働く方々の「良い製品を作ろう」という意気込みが質の高い集成材の生産につながっていると感じました。 この集成材を使ったラミナスなら、きっと温かみと落ち着きのある図書館を作り出してくれると思います。

ラミナス イメージ©キハラ株式会社
ラミナス イメージ©キハラ株式会社

ラミナスの特長はパンフレット「ラミナス」、総合カタログVOL.90「書架・書庫用品」でご覧いただけます。

*JASと集成材について
「JAS規格では集成材の外面の品質だけでなく、見ただけではわかりにくい接着性能、強度性能、ホルムアルデヒド放散量などについて、試験方法と適合基準が定められています。これら検査項目に合格する集成材にだけJASマークを表示することができ、使用者に対する集成材の品質を保証することができます。(日本集成材工業協同組合HPより)」 http://www.syuseizai.com/laminate03

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